2018年12月6日 木曜日 日本経済新聞社説① LINEが試す銀行の将来像

加速するIT(情報技術)企業による金融ビジネスへの進出を示す、象徴的な事例といえよう。

無料対話アプリのLINEが、みずほフィナンシャルグループと共同出資でインターネット銀行を設立し、2020年にも営業を開始する計画を発表した。
7800万人の利用者を抱えるLINEは日本の代表的なITプラットフォーマーだ。新銀行は決済に加えて預金や貸出業務を手掛けて利便性を高め、新たな収益源にする狙いがある。
こうした流れは既存の銀行の利益や顧客基盤を着実に侵食するだろう。メガバンクなど旧来勢力は金融の構造変化と将来像を見据えた対応策の成否が試される。
LINEはすでに自前の証券や保険事業に参入している。しかし金融の本丸である銀行設立のハードルははるかに高い。
LINEの直近の損益は最終赤字だ。金融庁は財務状況や収益計画はもちろん、顧客情報の管理や資金洗浄(マネーロンダリング)対策を厳しく問う。みずほは免許取得に必要なノウハウの提供や金融庁との折衝役を担う。
「なぜ潜在的なライバルに手を貸すのか」。みずほに対して他行からは批判もある。ネットバンキング事業で出遅れたみずほが若年層に強いLINEと組み、形勢逆転を目指すのは理解できる。
とはいえ「LINE銀行」を通じて接点を作った若年層が、10年後には住宅ローンや頭身販売などでみずほ本体の顧客に育つ、という皮算用は根拠が弱い。
人口知能(AI)の高度化は加速する。銀行が強みとしてきた人手を介した対面営業や投資相談の優位が薄れていくのは避けられまい。先端技術を大胆に取り込み、支店網や人員配置の収益性を精査し直すことが欠かせない。
金融庁は異業種参入を前提とした金融監督体制や法令の整備を急いでいる。既存の銀行は危機感を強めて前倒しで手を打たなければ、長く維持してきた金融盟主の座を驚かされる。

今日のことば

プラットフォーマー===企業や個人などが、特定のインターネットサイトなどの利用者を対象に、販売や広告などのビジネスを展開したり、情報発信したりする際のサービスやシステムといった基盤(プラットフォーム)を提供する事業者。

マネーロンダリング===麻薬などの犯罪行為で得た不正資金、賄賂、テロ資金など口座から口座へと転々とさせ、資金の出所や受益者をわからなくする行為。口座を転々とするうち、不正資金が正当な資金のように洗濯(ロンダリング)されてしまうことから、こう呼ばれる。

皮算用===まだ実現するかどうかわからないうちに、実現をあてにしてあれこれ計画を立てること

盟主===同盟の中心となる者。同盟の主宰者。

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ねじねじ

千葉県在住、都内旅行社勤務 【毎日】本を読む、ブログを書く、走る。 【ときどき】旅をする、泳ぐ、筋トレをする、映画を観る、音楽を聞く、ゲーセンでガンダム・マキブON(初代ガンダムを操縦)をする。 ★嫌いなものは口内炎、胃カメラ、かけひき、じんましん(仕事のストレスより発症し、現在休職中) ★雑記ブログ『社畜たちの沈黙から、親愛なる君へ』運営中 ★旅行社で法人営業担当18年目。ときどき国内海外問わず添乗中 ★年度目標は読書365冊、ブログ365記事、体重60kg 全て願望である