2018年12月6日 木曜日 日本経済新聞社説② 社会貢献への意欲を高める公益法人に

世知辛い世の中と言いつつ、社会のために役立ちたい人は結構多い。ボランティア活動に熱心な若者にもよく出会う。問題は、そうした意欲を後押しする仕組みが十分でないことだ。どこへ行けばよいのか、組織づくりはどうすればよいのか。せっかくの善意を無にしない方策を考えたい。
新たな公益法人制度が始まって今月でちょうど10年の節目を迎えた。旧制度からの移行は4年前に完了した。約9500ある新法人の2017年の公益目的事業の総額は4.6兆円で、東京都の税収(5.3兆円)に匹敵する規模になっている。
省庁ごとだった国所管の公益法人の許可権を内閣府の公益認定等委員会に一元化し、民間委員を入れて審査・監督するようにしたことで、官僚の天下り先という色彩はかなり薄まった。スポーツ団体で不祥事が相次ぐなどガバナンス改革は道半ばだが、監督を強めた成果と言えなくもない。
一方、新たな課題も浮かび上がってきた。
「収支相償の原則が活動の妨げになっている」。さわやか福祉財団の堀田力会長はそう指摘する。収支相償とは「計画している事業の規模を上回る収入を得てはいけない」という意味だ。
旧制度時代に不正な資金流用をした法人があったことを踏まえて設けたルールなのだが、想定より順調に寄付が集まり、待ったをかけることもあるそうだ。
遊休財産の保有制度も厳しく、新たな分野に乗り出す余裕が生まれないとの声もある。タガを緩めすぎて不正の温床になってはまずいが、あまり制度の使い勝手が悪いものも困りものである。
実際、公益法人の新設申請は伸び悩んでいる。旧制度からの移行でない法人は全体の1割にも満たない。これでは本末転倒だ。
類似の制度との関係もわかりやすくしたい。公益信託は、持続的に活動する公益法人と異なり、故人の遺産などを信託会社に委ねて奨学金などに充てる制度だ。
比較的簡単に設立できることから、特定非営利活動促進法(NPO法)に基づく認定NPO法人の設立を選ぶ人も増えている。
どの制度を選んでよいのかがわからないという理由で活動に踏み出せない人がいるとすれば残念だ。各制度はライバルではない。互いのよいところを取り入れ、よりよい社会の担い手に育てたい。

今日のことば

世知辛い===世渡りがむずかしい。暮らしにくい。

公益法人===社会公共の利益をはかることを目的とし,営利を目的としない法人をいう。

所管===ある事務を管轄していること。その管轄に属していること。
 
認可===適当と認めて、許可すること。
 
ガバナンス===統治のあらゆるプロセスをいう。 政府、企業などの組織のほか、領土、ITシステム、権力などにも用いられる広い概念である。
 
収支相償===公益法人が行う公益目的事業について、収入がその実施に要する適正な費用を超えてはならないという、公益法人認定法の規定。
 
遊休財産===遊休財産額とは、公益目的事業や収益事業等および法人会計のために、現に使用されておらず、かつ、引き続きこれらのために使用されることが見込まれない財産の価額の合計額のことです(認定法第16条2項)

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ねじねじ

千葉県在住、都内旅行社勤務 【毎日】本を読む、ブログを書く、走る。 【ときどき】旅をする、泳ぐ、筋トレをする、映画を観る、音楽を聞く、ゲーセンでガンダム・マキブON(初代ガンダムを操縦)をする。 ★嫌いなものは口内炎、胃カメラ、かけひき、じんましん(仕事のストレスより発症し、現在休職中) ★雑記ブログ『社畜たちの沈黙から、親愛なる君へ』運営中 ★旅行社で法人営業担当18年目。ときどき国内海外問わず添乗中 ★年度目標は読書365冊、ブログ365記事、体重60kg 全て願望である